PROJECTプロジェクト紹介
四日市港霞北ふ頭PC橋梁
名古屋支店初の橋梁上部工事施工
国内でも事例が少ない後ラーメン工法を駆使
発注者 | 国土交通省中部地方整備局 |
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建設場所 | 三重県三重郡川越町亀崎新田地先 |
工期 | 2015年10月~ 2017年3月 |
概要 | PC4径間連続ラーメン箱桁橋他358m |
小川所長
難易度の高い後ラーメン工法
霞ヶ浦南ふ頭から町道の川越中央線の臨海橋を結ぶ約4.1kmの霞4号幹線(臨港道路)を整備する国土交通省中部地方整備局発注の事業です。PC橋梁は、PC(プレストレストコンクリートの略)です。この現場の場合はポストテンション方式でコンクリート打設前にPC 鋼線を仕込み、打設後PC 鋼線を緊張(引っ張る)することでコンクリートに圧縮力を与えることができます。コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱いので、それに対処するためのものです。
桁の張出し方法は、橋脚柱頭部の桁を構築した後、移動式作業車(ワーゲン)を左右に一機ずつ組立てるところから始まり、ワーゲンの中で型枠の組立、配筋、コンクリートの打設、PC 緊張と一連の工程を経て、1ブロックが完成したらワーゲンを数m前進させる。これを繰り返し、ヤジロベーのように桁を伸ばしていきます。 両方がワーゲンで作業できれば良いのですが、一カ所クサビ式支保工と違った方法で作業する箇所があり、難しい施工になります。片方が固定式のクサビ型支保工となり、もう片方がワーゲンを使用した施工でフリーとなるため、上げ越し量も難しく、ひび割れに対する対応も必要かと思います。またそれ以上に、技術的なピークとして中央閉合があります。今回は後ラーメン工法というめずらしい工法が採用されております。人道橋としてはいくつか例はあるようですが、車道橋では、以前当社が施工した鹿児島橋梁で2例目といわれていたので、この工事で3~4例目といったところではないでしょうか。
後ラーメン工法とは、固定支間長に対して橋脚の長さが短いと、通常のラーメン構造ではコンクリートの乾燥収縮・クリープに対応ができなくなります。そこで、施工期間中に下部工と上部工の間にすべり沓を設け乾燥収縮とクリープをある程度進行させた後に上下部工を一体化させるという考え方の工法です。 柱頭部が完成するまでは、苦労すると思います。理由は、下部工が円形で上部工は箱桁となるため、鉄筋組立の難易度が上がります。加えて、過密鉄筋、PCシース管、外ケーブル偏向管、パイプクーリングの配管があります。上部工専門業者でも、口を揃えて柱頭部が一番大変だと言っています。
苦労するかもしれないが、今までの常識をくつがえし、成果をもたらしてほしいと思います。今回の現場は下部工だけでなく上部工も請け負うという、当社にとっては稀なケースであることは間違いないので、このチャンスをぜひ活かしていきたい。また工期中は、一番大事にしなければならないのは安全作業です。事故があるとすべてがフイになってしまいます。原価・工程・工事評定・良い物をつくるという面では品質にも関わってくるかと思います。事故のあるなしは一番気をつけなくてはならないことで、安全に作業するということを大事にしています。