技術紹介TECHNOLOGY
カルシア改質土
概要
カルシア改質土とは、軟弱な浚渫土にカルシア改質材(転炉系製鋼スラグを成分管理、粒度調整した材料)を混合したもので、強度の発現、水中投入時の濁り抑制、リンや硫化物の溶出抑制といった特長を持ちます。
カルシア改質材によって粘土・シルト分の多い軟弱な浚渫土を「カルシア改質土」として性状改善することで、浚渫土を処分することなく海域環境修復のための浅場、干潟、藻場などの造成材料として有効活用することができます。また「カルシア改質土」は、埋立材としても環境にやさしい優れた材料として活用することができます。


特徴
- 軟弱な浚渫土の強度増進効果:浚渫土にカルシア改質材を混合することで、カルシア改質材の即時的な吸水効果と経時的な水和反応が生じるため、強度を増進することができます。
- 濁りの抑制効果:浚渫土とカルシア改質材の混合直後に、カルシア改質材の吸水作用により強度(粘性)が増大します。このためカルシア改質土は、混合直後の水中投入時に、浚渫土単体よりも濁りの発生を抑制することができます。
- 海域底質の浄化効果:カルシア改質材は、リンや硫化物を吸着する性質(※)を有しているため、赤潮や青潮の原因物質の溶出を抑制する効果があります。
実績
- 平成24年度 下関港(新港地区)仮締切外1件工事【国土交通省】
- 東海元浜ふ頭 北公有水面 埋立工事【民間】
工法協会 工業所有権
- 【工法協会】カルシア改質土研究会
- 【NETIS】CBK-150001-A
関連資料
- (一財)沿岸技術研究センター:港湾・空港・海岸等におけるカルシア改質土利用技術マニュアル、平成29年2月
- 松山秀司、黒田祐一、水野健太、大田博文、赤司有三、藤井郁男:カルシア改質土で製造された盛土の長期特性変化、土木学会第73回年次学術講演会、pp.1919-1920、平成30年8月