技術紹介TECHNOLOGY

銅スラグ重量コンクリート

銅スラグ細骨材を大量に混入した重量コンクリート

銅スラグ重量コンクリートは、コンクリートの細骨材として銅スラグを大量に用いることで、通コンクリートよりも大きな比重を確保できる環境に優しい建設材料です。
銅スラグ細骨材は、天然砂細骨材と比べて密度が約30%大きいため、港湾構造物に適用した場合は重量増加によるブロック等の安定性が向上するというメリットを有しています。さらに、天然骨材の枯渇化は慢性的に続いている社会問題であり、産業副産物である銅スラグを大量に用いることは、天然資源の使用抑制とリサイクルの促進に繋がります。


銚子漁港整備工事(80t型消波ブロック)での適用事例

小名浜港災害復旧工事(岸壁上部工)での設計断面と施工状況

特徴

  1. 重量化:コンクリートの単位容積重量は2.5t/m3以上を確保できます。
  2. 低コスト化:従来の重量コンに比べ,安価な銅スラグを用いることでコスト低減が図れます。
  3. 施工費の抑制:重量化の程度は著しく大きくないため,従来の重機仕様で施工が行えます。
  4. 環境配慮:銅スラグを大量に混入することで,天然砂の使用抑制と産業副産物のリサイクル向上に寄与します。

実績

  • 銚子漁港広域漁港整備第2東突堤(黒生)工事 【千葉県】
  • 小名浜港5・6号ふ頭地区岸壁(-14m)(災害復旧)工事 【国土交通省】
  • 小名浜港藤原ふ頭地区岸壁(-10m)外(災害復旧)工事 【国土交通省】

関連資料

  • 森晴夫:銅スラグ重量コンクリートを適用したブロック製作事例、マリンボイス21,Vol.256,2009spring.
  • 森晴夫、鳥畑孝志、松本伸郎、本田友之:銅スラグ細骨材を大量に混入したコンクリートの鉄筋コンクリートへの適用性に関する検討、コンクリート工学年次論文集、Vol.31,No.1,2009.7.
  • 秋山哲治、森晴夫、本田友之、小澤良一:ポンプ圧送性に配慮した貧配合としての高比重コンクリートの配合選定と実施工、コンクリート工学年次論文集、Vol.35,No.1,2013.7.
  • 秋山哲治、森晴夫、山路徹、与那嶺一秀:海上大気中での長期暴露試験による銅スラグ細骨材を大量混入したコンクリートの耐久性評価、土木学会第68回年次学術講演会、Ⅴ-111,2013.9