技術紹介TECHNOLOGY

WRUP工法

海洋鋼構造物の防食システム

概要

WRUP工法は、防食対象となる鋼構造物の腐食の調査診断・防食補修設計および水中硬化型エポキシ樹脂による防食施工を一貫して行う技術です。
港湾・漁港等の鋼構造物は厳しい腐食環境下に置かれています。特に近年、築造後相当の年月を経て腐食が進行した鋼構造物が急激に増加しつつあり、これらの鋼構造物の劣化に対する維持管理と長寿命化のニーズがクローズアップされています。

特徴

WRUP工法は、構造物の形状に関わらず確実に施工が行えます。構造物の重要度や施工性等により、WRUP工法-M、WRUP工法-Lを組み合わせて経済的に防食することができます。

  1. WRUP工法-M(パテタイプ塗装工法):パテタイプの水中硬化型樹脂を使用し、主に水中部の防食を行う工法です。長期の防食効果と耐衝撃性が期待でき、飛沫帯や気中部についても従来以上の十分な防食効果を発揮します。
  2. WRUP工法-L(湿潤面タイプ塗装工法):湿潤用エポキシ樹脂を使用して、主にスプラッシュゾーン以上の気中部の防食を行う工法です。湿潤面での密着性が良好で、耐水性、耐衝撃性、耐久性に優れています。

実績

  • 清水港興津(-10m)(改良)鋼管杭 補修工事【国土交通省】
  • 南本牧ふ頭建設工事(その136外周護岸防食工)【横浜市】
  • 酒田港外港地区埋立護岸上部工事【国土交通省】
  • 既設ピアーヘッド防食被覆塗装工事【民間】

関連資料

  • 沿岸技術研究センター:港湾鋼構造物防食・補修マニュアル(2009年版),2009.11.
  • 国土交通省港湾局:港湾の施設の維持管理計画策定ガイドライン,2015.4.
  • 国土交通省港湾局:港湾の施設の点検診断ガイドライン(平成30年6月一部変更),2018.6.
  • 沿岸技術研究センター:港湾の施設の維持管理技術マニュアル(改訂版),2018.7.