技術紹介TECHNOLOGY

RTD-INCOTEST

鋼材腐食を検出する非破壊検査システム

概要

RTD-INCOTESTは、電磁誘導によるパルス渦流探傷技術を用いて、鋼材の肉厚状況を調査する非破壊検査システムです。本システムは、計測装置、プローブ、バッテリ、パソコンで構成されます。プローブは、港湾施設では専用の水中プローブ2種類を、陸上施設では4種類を用い、鋼材厚やリフトオフ等の適用条件で使い分けます。
港湾施設で用いられる鋼管杭や鋼矢板等に対して、貝殻や被覆材を除去せずに、非接触で肉厚状況を測定でき、一般点検と詳細点検の両方で適用できる技術です。

INCOTESTの測定原理イメージ図

INCOTESTのシステム構成

特徴

  1. 非接触:測定面が、貝殻や被覆材等で覆われていても、その上から測定できます。
  2. 定量評価:測定結果は、相対肉厚を数値で表現でき、鋼材の肉厚状況を定量評価できます。
  3. 見える化:測定値は、測定した直後にパソコンモニタにマッピング表示できます。
  4. 工期短縮:測定を連続的に行った場合は、最大500~600点/日の測定が可能です。
  5. 環境配慮:測定時は、貝殻等の産業廃棄物が発生せず,海洋汚染の心配がありません。

実績

  • 「目視困難な水中部にある鋼構造物の腐食や損傷等を非破壊・微破壊で検出可能な技術」公募試行調査【国土交通省】
  • 下部工調査:A発電所 海上構造物劣化調査(インコテスト)【民間】
  • 下部工調査:B化学会社 原料岸壁既設鋼管杭肉厚調査【民間】
  • 下部工調査:C石油会社 第二・第三桟橋鋼管杭肉厚調査工事【民間】

工法協会・工業所有権

  • 【NETIS】KKK-140002-VR

関連資料

  • 秋山哲治、森晴夫:非接触型の渦流探傷装置と超音波厚み計による岸壁鋼矢板肉厚測定での適用性比較、土木学会第70回年次学術講演会、Ⅵ-118,2015.9.
  • 秋山哲治、金子貴一、田沼遊太郎:目視困難な水中部での鋼材腐食等への非破壊検出技術の適用による現場作業の効率化、土木学会第72回年次学術講演会、Ⅵ-960,2017.9.
  • 秋山哲治、小山稔樹、金子貴一、田沼遊太郎:渦流探傷法を用いた非破壊検査システムの現場計測での測定精度に関する室内実験、第65回材料と環境討論会(2018),D-112,2018.10.