技術紹介TECHNOLOGY

深礎杭掘削出来形管理の効率化(その1)

工事概要

橋梁下部
  鋼製橋脚工(大口径深礎工)
  地盤改良工
  残土処理工
  仮設工ほか

活用概要

鋼製橋脚工の大口径深礎工における掘削工において、掘削出来形の確認に「レーザースキャナ」を適用し、従来方法と比較して生産性向上効果を確認した。

掘削中1回、掘削後、コンクリート打設後に「レーザースキャナ」による計測を行うことで点群を取得し、3次元モデル作成編集ソフトウェア「Rhino7」で近似楕円を作成し、点群編集ソフトウェア「TRENDPOINT」で設計3次元モデルと統合し比較することで、出来形計測を行った。

本工事はライナープレートによる土留めを行いながら掘削する方法であり、掘削出来形はライナープレートの補強リングを計測することで実施した。

従来方法による計測も併せて行い、本計測手法の妥当性も確認した。



レーザースキャナ計測



点群



傾斜計測



従来方法とICT活用との計測結果比較



コンクリート打設後の深礎杭点端の点群



コンクリート打設後の深礎杭点端の杭芯計測結果(ICT活用)

効果

以下の通り、労働時間の削減を達成した。


※従来方法では、職員、外注含め現場作業が合計98時間かかる作業であるが、今回の方法では掘削吹付後に「レーザースキャナ」で取得した点群データを活用してPC 上のシステムで計測することで、現場での作業時間削減効果を確認した。

ICT活用による現場作業時間は、合計7 時間であり、従来方法より現場作業を91時間削減可能であることを確認した。

※掘削中(GL-12m 付近)の計測結果は,従来方法01/300、点群活用1/545 であり,掘削完了時(GL-24.9m 付近)の計測結果は,従来方法1/62251/478、点群活用1/944 であり同程度であった。

ICTツール

・レーザースキャナ(Leica-RCT360)
TRENDPOINT(福井コンピュータ)
Rhino7+Grasshopper(Robert McNeel & Associates)